CDに投票券をつけた理由、曲のヒットを狙う理由「僕らの音楽」 ゲスト秋元康

2012年1月20日放送 僕らの音楽 OUR MUSIC 8 より1

2012年1月20日放送 僕らの音楽 OUR MUSIC 8 より

出演:後藤正文さん(ASIAN KUNG-FU GENERATION)  秋元康さん

秋元康さんが考える「メジャー」

秋元さん ぼくは「ザ・ベストテン」って番組の構成をやってて、ある時に漁村に行ったんですよ。

後藤さん はい。

秋元さん それで漁村の港のスピーカーみたいのが(音が)割れる様な。
あの、あそこから、田原俊彦さんの「NINJIN娘」が流れてたんですよ。

「メジャーとはこれだ」と。

後藤さん (笑)

秋元さん だからぼくらは、たとえば、AKB(48)でもなんでもレコーディングして、たとえば、えー‥…

ディレクターとかミュージシャンとかは、「秋元さん、聞いてください。このベースかっこいいでしょ」とかって言うんだけど、それは”JBL”とかああいうね、スピーカーで「ガーン」て聞いたら「おおいいね」とかなるけど。

「いや、わかったわかった」と。「一番ちっちゃいラジカセもってきてくれ」と。「それで聞かしてくれ」っていうのが僕の中にはあるんですよ。

後藤さん なるほどねー。

秋元さん だからつまり、全然それはアーティストを否定してるんではなくて、僕がやってきた事がきっと、テレビで(音の)バランスが悪かったり何でも、それでも楽しめる、要するに「タフなエンターテイメント」なんだよねきっと。

後藤正文さん(ASIAN KUNG-FU GENERATION) × 秋元康さん1

CDというメディア、CDに投票券をつけた理由

後藤さん AKB(48)が「投票権」つけたじゃないですか。
これってたぶんもう、いろんなところで、いろんな人が、いろんな事言ってると思うんですけど。

ぼくはある意味では、その「もう、ここまできた」っていうか、CDはやっぱり「データのコピーを入れてる」から、いつかただの入れ物になる事は、もう明白だと思って。そのあたりの、その、たとえば音楽とメディアみたいなものって、秋元さんはどういう風に見てるのかなって、すごい‥…

秋元さん あれねえ、たぶんねえ、あの、みんなの評価と、僕がやり始めた時の気持ちがまるで違うんだよね。

みんなが結果論として「CDの売れない時代に付加価値をつけた」と。

後藤さん うんうん

秋元さん ね。それが、たとえば卑怯であれ、なんであれ、付加価値をつけて「CD」って物が、こういう形で‥売れない時代に、こういう形でやったのかと。
つまり「CDはグッズ化していくんだ」と。

あのー、小室哲哉さんと話をした時は、小室さんは「グッズ化してって、これおもしろいですよね」って言ってくれたんですけれども、あのまあそういうグッズ化っていう‥「ああ、なるほどなあ。そういうことなんだ」と
僕、後からそれ思ったんですよ。

後藤さん なるほど

秋元さん で、むしろ、一番始めスタートした時はもっと、そんな先のこと、たとえば、AKB(48)の劇場作った時も「これからのライブ時代」を見越してたわけでもなんでもなくて、面白そうだからやった。

同じように、まだそんなにファンもいなくて。あのー、みんなその度にさあ、例えば僕が選抜メンバーを作ると、もうみんなに言われるわけ。「なんで、秋元の目は節穴だ」と「なんであの子を入れないんだ」とかね。

それで、野球のね、あのオールスターみたいに「ファン投票で作ろうと、選抜を」と思ったんですよ。

それがもう、ただそれを、誰でも投票できるようにすると、もう滅茶苦茶になっちゃうのね。

なので、そのー「ファンだという証明」が。
あれみんなCDだけだと思ってるんですけど、CDだけじゃなくて、CDでも 携帯のファン‥(公式モバイル)でも、ファンクラブでも、なんか「AKBのファンだ」というあれがあれば、投票できるっていう事なんですよ。

後藤さん なるほど

秋元さん で、それをスタートしたんだけども、やっぱりこう、だんだんそっちが喧伝されてって、なんかこうAKB(48)といえば、そのーなんかね。そのー「キャラクター物のスナックお菓子」みたいに、なんかこう「本末転倒じゃないか」と。

つまり「そっちの特典が面白いんであって、ただCDは付いてるだけじゃないか」っていう話もあるんだけど、でも全然そんな事はなくて。つまりAKBは何をやりたいかと言うと、一番その「面白い事をやりたいだけなんだ」と。

2012年1月20日放送 僕らの音楽 OUR MUSIC 8 より2

話題は、「曲のヒットを狙う理由」へと‥…

後藤さん まあでもそんなに、なんか、あの「売れ線」とかって、‥
売れ線狙って書けたらすごいと思っちゃいますから‥

秋元さん (笑)いやあの、どうなのかな。
でもそこは‥

後藤さん 狙ってるんですか? 実際。
それはすごく気になる。そこまでやっぱり‥…

秋元さん いやあ、それは、あのー、
それが「指命」だからね。

後藤さん なるほどねー

秋元さん だから、それは、みんなの、
その、たとえば、まずはメンバーだよね。

メンバーにヒット曲を作ってあげないと、メンバーは「次の夢」に行けない訳じゃないですか。

後藤さん なるほど

秋元さん そこで「ヒット曲があるアイドルグループ」だから、バラエティーにも呼んでもらえたり、ドラマに呼んでもらえる訳だから。

そのためには、そこの、まず僕の責任としては、いわゆる「あ、これはキャッチーなメロディーだな」とか、「これは今の時代にいいな」とか、「今この時代に”アコギ”から入るのがいいな」とかっていうことを、考えますよね。

後藤正文さん(ASIAN KUNG-FU GENERATION) × 秋元康さん2

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